| 世紀がかわってゆっくりと身辺を見回してみると、何かが急速に動いているという感じが切実である。バルカン半島やパレスチナ、同時多発テロやアフガン空爆、経済不況や外務省問題など、国内外の政治や社会の動向はそれがどういうものかわからないが、どこか深いところで繋がっているような気がする。言葉だけが例外であるはずはない。 |
| 近代短歌を推し進めてきた短歌結社という仕組は、弊害が論じられることもあったが、一方では多くの才能を育んできた。成員の歌歴の深浅をあまり意識しないで、一つの土俵内に抱え込める点において、結社組織は短詩型文学の言葉のありようと馴染んでいる。しかし、また別の仕組みが模索されてもいいだろう。どのような仕組のなかに、作歌の場を求めるかという話題になったとき、三人の意見の一致をみたので、このたび実行ボタンを圧すことにした。 |
| 短歌ユニットは、異なった個性や機能の連結によって何かを生みだそうとする場である。単位はあくまでも個人だが、他者と接触することによって、誰のものともいえない何かが生まれる場を期待する。個人も場も他者の影響を受けながら様相をかえてゆく可変性を秘めていたい。［ＢＬＥＮＤ］がそのような場になってゆけばと願っている。 |
今井恵子 |
