フェリス女学院大学オープンカレッジ - 「俳句創作講座」2009年度秋学期の記録

フェリス女学院大学オープンカレッジ「俳句創作講座」

２００９年度秋学期の記録

俳句の実作や近代・現代の俳句の鑑賞を中心に、以下のような内容で開講しました。

第１回：２００９年１０月３日（土）

［１］講座のオリエンテーション

この講座の特色や今学期の講座の進め方についてお話するとともに、俳句を学ぶための基本になる考え方についてお話しました。

［２］前学期作品集批評

前学期の作品集について講師よりコメントを行いました。たった12句、されど12句。いずれもそれぞれの作者の個性があらわれたもので、ひとりの読者としても楽しませていただきました。

［３］現代俳句作品鑑賞

中岡毅雄句集『啓示』（ふらんす堂）

中岡毅雄句集『啓示』（ふらんす堂、2009年）を鑑賞。

［参考］中岡毅雄作品をめぐって

第２回：２００９年１０月１０日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

引き続き、中岡毅雄句集『啓示』を鑑賞。「ゆふべまでつづくあをぞら水馬」「みづうみの水位かはらず月見草」「天草の凪ぎわたりゐる椿かな」などに見られる季語の斡旋のうまさ。つまり、一句としての安定感を思います。

第３回：２００９年１０月１７日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

山西雅子句集『沙鴎』（ふらんす堂）

山西雅子句集『沙鴎』（ふらんす堂、2009年）を鑑賞。「なみなみと盥に水や葉鶏頭」「子供にも昔がありて椎の花」「降りそそぐごと臘梅の盛りなり」。

［参考］山西雅子作品をめぐって

第４回：２００９年１０月２４日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行います。

［２］制作と推敲、個性について

「本をきちんと積み上げる」という作業を“体験”していただきながら、俳句の制作と推敲という作業の違い、また個性のありようについてお話しました。

第５回：２００９年１１月１４日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

第６回：２００９年１１月２１日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

第３回に引き続き、山西雅子句集『沙鴎』を鑑賞。

第７回：２００９年１１月２８日（土）の予定

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。作品を読む前と読んだ後では、読者のなかでなにかが変わります。そのためには、作品と真直ぐに向き合うことが大切。けっして、自分のほうから発想するのではなく。

［２］現代俳句作品鑑賞

森賀まり句集『瞬く』（ふらんす堂）

森賀まり句集『瞬く』（ふらんす堂、2009年）を鑑賞。たとえば、「どくだみの花越えてきし猫の腹」に見られる独特の視点（「腹」への着目）、「白きものみんなかもめや冬座敷」に見られる幼いともとれる表現によるリアリティなどに、彼女らしさがあるのかもしれません。

第８回：２００９年１２月５日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］切れについて

俳句の重要な要素である「切れ」について、その機能や働きといったことをお話しました。

［３］現代俳句作品鑑賞

引き続き、森賀まり句集『瞬く』を鑑賞。

第９回：２００９年１２月１２日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

今村俊三句集『蟹曼荼羅』（福岡鶴俳句会）

今村俊三句集『蟹曼荼羅』（福岡鶴俳句会、1972年）を鑑賞。蟹を詠んだ108句から構成された一冊。蟹というひとつの対象に向かいながら、その行為は俳句、そして自己へと向かっているはずです。それを通して生れる作品の意味を思います。

［参考］今村俊三作品選

第１０回：２００９年１２月１９日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

引き続き、今村俊三句集『蟹曼荼羅』を鑑賞。

第１１回：２０１０年１月９日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

［２］現代俳句作品鑑賞

石田郷子句集『秋の顔』（ふらんす堂、1996年）を鑑賞。

［参考］石田郷子作品をめぐって

第１２回：２０１０年１月２３日（土）

［１］作品相互批評

ひとり２句提出。講師のコメントを中心に、意見交換を行いました。

2009年度秋学期

講座の記録

[関連サイト]

http://a-un.art.coocan.jp/za/